第1章 妖精の尻尾
不意に後ろから聞こえたバギッっという音と共に余計やかましくなった騒音。振り返るとまぁ、いつもの乱闘がそこに広がっていた。
振り返りざまに何かを投げつけるように手を動かすと、乱闘を繰り広げていた連中に大量の水が頭から降りかかる。
「ヴィナ!何しやがる!つめてぇだろうが!!」
「俺はどうってことないけどな。」
牙をむいて怒るナツ。涼しい顔でシャツを着ていないグレイ。残りの者は懲りたらしく大人しく引き下がるが、先ほどの二人は再びにらみ合う。
「これでも食らいやがれ氷野郎!!」
「氷漬けになっちまえくそ炎!!」
再び水が先ほどよりもやや強めに二人に浴びせられると、ナツの炎が消え、グレイの氷は跡形もなく砕け散った。
「二人とも喧嘩はそこまで。…わかった?」
「「あ、あい…」」
「ねぇねぇ、ヴィナ。お土産ないの??」
「あるにはあるけど、態度次第ね。」
「えーー!おいら何もしてないじゃないか!!酷いよ~…お魚待ってたのに…」