第3章 3 妖精たちは風の中
「貴様等の目的はなんだ!ララバイで何をしようとしている!」
「分かんねぇのか?駅には何がある?」
馬鹿にしたように笑いながらエリゴールの体は宙に浮かぶ。
「飛んだ!」
「風の魔法だ!」
エリゴールはスタッとスピーカーの上に止まり、持っている鎌で軽くつついた。
「ララバイを放送するつもりか!」
「この駅の周りには何千人もの野次馬が集まってる。いや、音量を上げれば街中に響くだろう。死のメロディーがな。」
「何の罪もない人達にララバイの音色を聴かせるつもりか!」
怒りをあらわにしている私達に向かってエリゴールは語った。
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ、生活を保全している愚かな者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えに来た。」
「そんなことしたって、権利は戻ってこないのよ!っていうかあんたたちが連盟から追い出されたのは悪い事ばっかしてたからでしょう!」
「ここまできたら欲しいのは権利じゃねぇ。権力だ!権力がありゃ全ての過去を流し、未来を支配することもできる。」
「あんたばっかじゃないの!」
あいてはあの死神。それにも億さずにあれだけずばずば言えるルーシィに私は感心した。
それでこそ、フェアリーテイルの魔導師だ。