第3章 3 妖精たちは風の中
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「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってこないらしい。おそらく、アイゼンバルトと戦闘が行われているんだ。」
見えてきた階段には、おそらくその突入した小隊の兵士が倒れていた。
「全滅してるよ!」
「エミア、周りには?」
「誰も居らぬ。」
相手はギルド丸々一つ、故に軍の小隊では話にならなかったのだ。
先へ進めば進むほど濃くなる匂い。
突然笑い声が聞こえ、敵が姿を現した。
「来たなフェアリーテイルの蠅ども。」
「な、何この数?!」
想像よりも多い人数にルーシィの驚きの声が上がる。だけど、怯むほどではない。
「貴様!貴様がエリゴールか!」
その上に居座り、私たちを見下ろしているエリゴール。気分の悪くなるような笑い声をあげ、目を光らせている。
「ナツ起きて仕事よ!!」
「無理だよ。列車、魔道四輪、ルーシィ。乗り物酔いの3コンボだもん。」
「あたしは乗り物かい!」
「めずらしい組み合わせじゃのう。」
「蠅がぁ…お前等のせいで俺はエリゴールさんに…」
「この声…」
一人が口を開くと、その声に聞きおぼえがあるようでナツの顔が引き締まった。ついでに眠気覚ましよろしく、水掛けちゃお。