第3章 3 妖精たちは風の中
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その頃私たちは、飛ばしに飛ばしクヌギ駅を見下ろす崖の上にいた。
下では人々が集まり、口々に不満を軍の小隊兵達に言いつける。
「列車ジャックか…」
「馬車や船なら分かるけど、列車を乗っ取るなんて…」
「はい。レールの上しか走れないしあんまりメリットないよね。」
「だが、スピードはある。」
「なにかの理由でアイゼンバルトの連中は急がざるをえないんじゃないか?」
「グレイ、服。」
「ありゃ。」
「でもまぁ、軍隊も動いてるし捕まるのも時間の問題じゃない?」
「だとよいのじゃが…」
再び走り出した魔道四輪の中で一人ナツだけがつぶれている。
その辛さが分かるから何とも言えないんだけど。