第2章 鎧の魔道師
駅の外に出ると運のいいことに魔道四輪が止めてあった。
「エルザ!あれあれ!!」
「借りるぞ!!」
運転席にエルザが座り、魔道四輪はものすごい速さで街を駆け抜ける。
建物すれすれに通ったり、曲がるときに傾いたり、結構楽しい。
「ヴィナ~、あんた危ないわよ。」
窓べりに腰掛けて半身外に出したままの私。危なくないよ~と返し前を向いた。風が当たって気持ちいのだからそれはそれで良しであろう。
「見えた!」
「ナツーー!!」
一部破壊されている車両がある。おそらくそこにナツがいるだろう。エルザはさらにスピードを上げたとき、窓から何か飛び出してきた。
「あ。」
「何?!」
ゴチ―ンっという痛そうな音と、ナツとグレイの叫び声が聞こえ、振り返ると見事額でナツをキャッチしたグレイとナツが伸びていた。
「ナツ!無事か!?」
「あい。」