第2章 鎧の魔道師
「ところで、聞いたぞ。S級クエストを二日で終えたそうだな。」
「まぁ、ミラが私に合った仕事を紹介してくれたから。」
「どんな依頼だったの?」
「干ばつなおしてきた。」
さらりと答えれば、は?と訳の分からない表情で見返され、私も同じようにルーシィを見返す。
「洪水にはしてないだろうな…」
「勿論です。ちゃんと、適度にほどほどに…」
エルザの視線が怖くて、ぎくしゃくとした動きになる。
黙っていようと思っていたのに、重圧に耐えられる私ではないから、恐る恐る訳を説明した。
日照りが続いて街丸まる一つが食糧難になっているところを、雨を降らせ大地を潤したと。ただちょっと、豪雨になりすぎて河川が氾濫したこと。雨ではなく途中あられが降ったこと。
怒られた…
「当たりめぇだ。氷降らすとか飛んだ迷惑だろうが。」
「今後気をつけろ。」
「申し訳ありませんでした。」
「てか、街丸まる一つに雨降らすって…」
「それがヴィナです。」
「うぬ。」