第2章 鎧の魔道師
「まったく世話が焼けるな。今日のところは何も言わずにおいてやろう。」
よかった。
これですくわれる!と思っていたのに、恐れていた瞬間はやってきてしまった。
「ナツとグレイとヴィナはいるか?」
「あい。」
「や、やぁエルザ。俺たち今日も仲よくやってるぜ。」
「あ“い”。」
口ではそう言ってるものの、ナツとグレイは冷や汗が止まらない。しかし、それに気づかずエルザはいいことだと首を振った。
殴り合いのケンカになってたらきっと今頃、私はボコボコにやられていただろう。そう考えると口げんかで良かったと思う。
ナツはエルザに勝負を挑みボコボコにされ、グレイは裸で街を歩いていたのを見つかりやっぱりボコボコにされている。その上、わたしは一度仕事先でやりすぎ、説教を喰らった。
「ナツ、グレイ、ヴィナ。頼みたいことがある。」
「「「え?」」」
「仕事先で厄介な話を耳にした。本来ならマスターの判断を仰ぐとこなんだが、早期解決が望ましいと私は判断した。三人の力を貸してほしい。ついてきてくれるな。出発は明日だ。準備をしておけ。」
一方的に話を進めるのがエルザです。
ざわざわと波紋が広がる。それもそのはず、エルザが他人を誘うなど、初めてのことだった。
「エルザとナツとグレイとヴィナ。今まで想像したことなかったけど、これってフェアリーテイル最強のチームかも…」