第1章 妖精の尻尾
「魔導師か?!」
「ハッピー?!」
「ヴィナ!あそこじゃ!!」
崖の下をエミアが指さす先には棒に縛られたハッピーが今まさに焼かれようとしていた。
「待ちやがれ!」
「ハッピー!」
「そいつは俺らの仲間でな。腹減ってるからって食わせるわけにはいかねぇんだよ。」
「お前等魔導師だな。どこのギルドだ?」
「関係ねぇ!やれ!」
飛びかかってきた奴らに私達も戦闘モードに入る。連日で疲れているのに、一日二戦とは、人使いが荒いものですね。
「グレイ、ヴィナ。行くぞ。」
「俺に命令してんじゃねぇよ。」
「後方支援で~。」
あまり動きたくないのに敵はそんなことお構いなしで、殴りかかってくる。私はそれをよけると、間を詰め、相手に蹴りを喰らわす。
「喰らえ!サンド・ボム!」
やれと命令した変な奴が砂でナツを飲み込み、その風圧で生まれた風が頬をくすぐった。
「ナツ!」
「構うな!ハッピーを頼む!」
「う、うん!」
「ルーシィこっちじゃ。ナツは放っておいても出てくるぞ。」