第1章 妖精の尻尾
エミアがルーシィに付き添い、私は先ほど吹き飛ばした相手を睨みつけた。
そいつらはナイフのような物を取り出すと、次々と投げつけてくる。それを交していると、ハッピーを助けたルーシィの前に、でかい鳥みたいなやつが襲いかかって行くのが見えたので、私はとっさに向きを変え、グレイとともにそいつを蹴り倒す。
火の気配がしてナツのいる方に顔を向けると、案の定、ナツを閉じ込めていた奴が黒焦げになって落ちてきた。
「ザコ相手にマジになってんじゃねぇよ。」
「てめぇその口燃やしてやろうか。」
「燃えねぇよ。てめぇのぬるい火じゃな。」
「お前等の口ん中洪水にしてやろうか。」
「「遠慮しときます。」」
敵は既に近くに会った木に縄できつく縛ってある。不意にその一人が何かをつぶやいた。
「ララバイ?」
「?!よけろ!!」
「危ない!」
ハッピーの頭つきがルーシィを直撃し、私はナツとグレイを突き飛ばし、自分は飛び上がって後ろに下がった。
手のような影が縄で縛りつけられた樹の真下に移動すると、軽い地響きを響かせながら樹が下に沈んだ。
「なにあれ?!」
「誰だ?!」
「もう気配が消えてる。めちゃめちゃ逃げ足の速い奴だ。」
「くそっ!わけわかんねぇ。」
「エミア誰か居そう?」
「ダメじゃ。もう姿さえも消えておる。しかし、ララバイとは…」