第1章 7月7日
「面白くもねーのに、笑ってたんだ。」
そう、そうして取り残されたのは私自身だった。
身体ときりはなされた心はある日ぷっつりとキレる。
そこからは、私という主体を無視した『心』の独立戦争。
自分の存在を主張するかのように、全身のあらゆる器官に影響を与え、身体は悲鳴を上げた。
何もないのに体調不良。
朝は全身の疲労感で起きられず、登校時間を過ぎた途端にぱったりと元気になる。
玄関を一歩出れば、とてつもない腹痛が襲うけれど、一歩家に入ればすぐに治まる。
原因は見つからなかった。
これがストレスなのか。
と思い知った、中1の冬。
あれからもう半年経っていた。
「面白くないといけないって思ってたのよ。」
そう。
私が変なんだって思っていた。
「この星の人間じゃなかったって気付くのが遅かったな。」
年下の癖に、うまいこというじゃないか。
「そうだね。」
そういえば、家族以外の人と話すのは久々かもしれない。
話したのは姿も見えない、年下の男の子だけれど。
窓際で話すだけで会話ができるほど近い、お隣さん。
・・・考えてみれば、変なシチュエーション。
けれど、少しだけ胸がすっきりとした。