第3章 引力
外見か、見た目か・・・・
どっちを好きだと言われるのが嬉しいだろう。
彼の考え方。
私の考え方。
発想を逆転させて考えてみようか・・・
ブサイクだけど性格が好きだよ。
って微笑まれるのと、
性格悪いけど顔が好きだよ。
って見つめられるのとどっちがいい?
・・・・・。
異議あり!
なんだかちょっと違う気がする。
大体顔が同じ人は居ないって言ってたけど・・・
「そういえば、居るよ。」
優菜は思い出したようにくすくすと笑う。
「何なの?急に。」
「同じ顔の人。私の通ってる中学に居たんだった。」
「双子?」
「そう、保健室の先生と相談室の先生。ぱっと見た感じは全然印象が違いすぎて分からないんだけど、顔をよく見るとそっくりなの。」
優菜はどちらの先生とも仲がいい。
学校を休んでいる今でも担任ではなくこの2人の先生が担当になって時々様子を見に来てくれている。
まるで友達のように…とはいかないが、自分の思いを話しやすい人たちで、優菜は好きだった。
多分今週末にでもまた来てくれるだろう・・・
どっちの先生だろう・・。
ふと、横道にそれて考えている時だった。
「ってか、俺も通ってる中学、なんだけど。」
その瞬間、くっと心臓が持ち上がるような感覚に息がつまった。