第4章 第1層~第10層 その3 "再起"
「アレ…どうします?」
ミヤの言葉に皆、詰まってしまう
確かに対処に困る
恐らくあの光線は狙った位置を爆発させるもの
しかも発射から着弾まで時間が無い上に視線がそのまま射線になるから、下手に飛び出ようものなら自分達が弾ける羽目になる
現状は上手いこと避けているから死者はいないが、アレばかりをやられると辛いだろう
「……戦術はある」
ややあって部長が口を開いた
私を含めた全員の視線が集まる
「脚力ブーストをかけた状態で複数人が撹乱。ターゲットを絞らせないようにしつつ、誰か一人が胸の玉にダメージを入れる…もう、リスク云々は言えない。絶対に失敗出来ないぞ」
胸の玉…
今まで放置はされていたが、あそこへのダメージはやはり高いようだ
仮にそうでなくとも、試す価値はある
緊張が全員に走る
でも、それしかない…
(それしかないなら…)
自然と頷いていた
皆、覚悟は決めている
ならば、やらない理由はどこにもない
「…よし…やろう。絶対に成功させよう」
ボスがこちらにゆっくりと来ている
恐らく、散り散りになった他の部隊がビル群に来ているのだろう
向こうから来ているなら丁度良い
「迎え撃つぞ!!」
気持ちを整え、ボスが近くなりそうな位置へ移動するのであった