第4章 第1層~第10層 その3 "再起"
何が起きた、いやまたか
最後の最後でまた変化か
起き上がるボス
顔の部分にあった仮面がズレている
ズレたその奥には、小さな仮面
どんな変化だ、と考えた瞬間―奥の仮面、その目の部分が光った
それが見えた時、既に目の前が爆ぜていた
爆風に晒されながら、身体を必死に支える
どういう事だアレは?
光ったら爆ぜた、つまり―光線とかそういう類だろうか
そんな考えが頭を巡った時には更に二回、地面が爆ぜた
ボスは直前まで戦っていた部隊を無視し、奥で固まっていた―実質そう言って良い―私達に狙いを定めてきた
「クソッ…皆!!」
瓦礫が地面に落ちる音が響く中、部長が必死に声を張り上げる
皆まで言わずとも何となく通じた私達は即座に部長の進む方向に着いていった
周辺が次々と爆ぜる中、私達の初期位置であったビル群の方へと走っていく
確かにあそこはまだ破壊されている率は低い
ビルを盾に、影に隠れる
この間に息を整えるついでに、ボスを確認する
住宅地であった部分は炎に包まれている
ボスの影が光の威力を物語っている
「最後の最後で面倒臭いな、アイツは」
シンジ先輩のボヤきには同意せざるを得ない
勝てると思ったらこの様だ
これまでの戦闘のお陰で、皆の顔や服が黒く汚れている
恐らく私も灰色になっているだろう