第4章 第1層~第10層 その3 "再起"
「正面に立ってんな!ストライクパイルで吹っ飛ばされるぞ!!」
ボスの足元からケンタが叫ぶ
正面、正確には掌の射線に立つな、という事だろう
「っていうか、ストライクパイルって何?」
エリーと二手に分かれ、駆けながら思わず私は聞いてしまう
知らない単語で説明されても分からないのは当然だろう
「圧縮した空気を一点に向かって放つ兵器だ。まぁ、ちょっと前のロボアニメで同じ兵器がストライクパイルって名前だったんでな」
ボスの足に攻撃を加えつつ、ケンタの説明が入る
まぁ要は、圧縮した空気砲と言う事か
現実で喰らったら、身体がバラバラになってまう代物は、時折爆音を響かせながら家や地面を破壊していく
時折、ただの打撃やパイルバンカー、更には蹴りもフェイントの如く併用して来る為油断は出来ない
掌の射線に入らぬよう移動を繰り返し、足と腕に狙いを定め攻撃を当てる
住宅地は最早その様相を大きく変え、災害後の瓦礫に埋め尽くされた状態に近くなった
戦車からの砲撃も続いたが、実質の遠距離兵装を持ったボスに悉く破壊され、囮兼支援役を失う事となった
私達からしてみれば、最初から戦車を使う気は無かったし、操作した誰かが危険に晒される事もない
ステージが広い故、他の部隊との切り替えに若干手間を要するが、徐々に見極めが出来るようになった私達は少し安全に対処する事が可能となっていた