第2章 第1層~第10層 その1 "旅の始まり"
目的の食堂、店名「シャンバラ」は割りとすぐに見付かった
アングラな雰囲気は一切無い、所謂RPGの村にありそうな食堂のドアを開ける
中に入ったは良いが、皆は一体何処だろうか。店が割りと広―
「だ~れだ?」
突如視界が暗くなる、そして声
良く知った声だ―ついでにこんな真似をするのは私の知る限り一人だけである
しかし、答える前に犯人が手を外した為、結局視界で捉える事になった
「答えは私なのでした~。待ってたよリィちゃん」
「待ってたのは良いけど、いきなりスキンシップってどうなの、ミヤ」
ミヤ―アバター名ミヤコ、本名宮古遥
濃い茶毛をポニーテールに結ってある彼女は私の同級生
一見現代風大和撫子の癖して、やたらスキンシップ(同性のみ)を求めるコンピューター部の一員
「まぁまぁ良いじゃないのさ。リィちゃんを、二次元でも、体験!!」
「指をワキワキさせないの。で、皆何処?」
「はいはい、案内しましょう」
そう言うとミヤは私の手を引き、奥へ向かった