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SAOGs

第31章 第51層~第60層 その3 "白い悪魔"


薄暗いフィールドを例の白い服の男を探して進む
視界の悪さには慣れた

だが、唐突に止まられると流石に反応出来ない
前を歩いていたトーマの背中にぶつかってしまった

「ちょっと、止まるなら止まるで――」

「いたぞ」

その一言で私達に緊張が走った
探す必要は無い、視線をただただ真っ直ぐに向けた先――そこに"奴"はいた

不敵――否、不気味と言える薄ら笑い

「待ってたよ」

同年代の男性にしてはいやに高い声
私でも分かる――何か歪んでいると

「……お前だ」

だが私の、私やジンも感じているだろう懸念はメティスには関係無い
何故ならその人物が仇だからだ

「姉さんの仇イィィィ‼」

出来得る限り全てのブースト
それらを以て降り下ろされた一撃

だがそれは――届かなかった

メティスの放った一撃よりも速く、重い一撃を彼はメティスぶつけた

「―――」

首の辺りから鈍い音がしたメティスは地面に落ち、そのまま動かなくなった

「あれ…?」

何か不思議な物を見る目線
まるで"どうしてこうなったか分からない"と言った表情を、男は見せていた
故に男は確かめる
メティスの持っていた槌の持ち手で軽くつつく

それでも反応はない
その途端、男は槌の持ち手をメティスの額に突き刺した

「―――!」

驚きで声も出なかった

槌の持ち手はメティスの額から頭を貫き、呆気なくメティスを砕き散らせてしまった
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