第30章 第51層~第60層 その2 "躍進"
そんな激情染みた感覚があったのかと、言葉を口にした後に自分の中へ問う
何故そこへ繋がったか、思い出せなかった
「随分と怖い理由だな」
シモンの一言で自問から引き戻される
「何言ってんだ。生きる為に食う、基本だろ?」
「とにかく――」
トーマに場を握らせては埒が開かなくなる
私は無理矢理言葉を続けた
「私達、基本的に皆さんの邪魔はしないし何かあれば手伝います。でも二つだけ」
そこで再び一呼吸置く
これからどうなるか分からないけど、聖槍十三騎士団と戦うのには必要な条件
「聖槍十三騎士団の相手は私達にさせてください。そしてその為に、ボスを私達だけで倒す事を許してください」
無茶苦茶な要求だろうと我ながら思う
だがこれを通せないと私達の戦力増強にはならない
「未知の相手とやるには確かにかなりの力が必要だ。だが、はいそうですかと認める訳にはいかないな」
予想出来た答え
ならばどうすべきか、と考えている間にセガールが再び口を開いた
「一つ、お前達を試す。それが出来れば認めてやる」
「何をしろと?」
「簡単だ。五十二層ボス戦を率いてもらいたい」