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SAOGs

第29章 第51層~第60層 その1 "新生"


瞬間――ジンが一気に距離を詰めてきた
気付けば目の前、既に剣を振り上げている

「っ!」

本能的な防御姿勢で何とか防ぐ
先程出来上がった剣は問題なく耐えているものの、不格好な鍔迫り合いとなっている

思った以上に向こうの力が重い
加えて手の震えから徐々に押し込まれていく
直後――

「ごっ――」

腹部に衝撃――蹴りを入れられた
無理矢理空気が吐き出されると同時に私の身体が地面を滑る

「どうした、そんなものだったか?」

再び距離を詰めるジン
剣を受ける訳にはいかない、無理矢理腕を振って斬りかかる

だが刃は空のみを斬った
跳躍したジンは刃の位置よりも高い位置――次に見えたものは膝だった

顔面に衝撃
ジンの膝が当たり身体がよろめく
直後に殺気――無理矢理身体を反らす
両断するように剣が振り下ろされる

避けた――否、左の二の腕の肉が幾らか飛ぶ
激痛を感じるもまだ動かねばならない
次が来る

させるまいと右腕だけで剣を突き出す
破れかぶれかもしれない、だが今出来るのはこの程度で――

「甘い」

――回避される
移動もしない、軽く顔を反らせただけ
直後地に降りた剣が跳ねるように上がり、再び体勢を崩される
その大きな隙、そこに飛んできたのは拳だった

再び顔面に入った一撃に、僅かに意識が飛ぶ
気付いた時は地面に俯せになっていた
残りHPは半分まであと僅か――決着も時間の問題となっていた

ここまで一方的とは……これがジンの強さなのだろうか
それとも…私が――

「弱い」

――代弁するかのようにジンの声が響いた
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