第28章 第41層~第50層 その5 "Einsatz"
それが始まった瞬間から私達は動けなかった
―――私の塵は短い安らぎの中を漂い
「Mein Staub, nach kurzer Ruh」
―――あなたの望みし永遠の命がやってくる
「Unsterblich Lebin wird, 」
いや、始まればもう止める術はない
これはそういうものだ
―――種蒔かれしあなたの命が再びここに花を咲かせる
「Wieder aufzubluhn wirst du gesat!」
―――刈り入れる者が歩きまわり
「Der Herr der Ernte geht」
―――我ら死者の欠片たちを拾い集める
「und sammelt Garben Uns ein, die starben.」
故に私達にはどうにも出来ない
イザークの足元から広がる光の筋を見ているだけしか出来ない
―――おお 信ぜよわが心 おお 信ぜよ 失うものは何もない
「O granbe, mein Herz, o glanbe. Es geht dir nichts verloren! 」
次に口を開いたのはマキナ
その表情に変わりはなく、何を考えているかも分からない
―――私のもの それは私が望んだもの 私のもの それは私が愛し戦って来たものなのだ
「Dein ist, dein, was du gesehnt Dein, was du geliebt, was du gestritten!」
続いてエレオノーレ
まるで待ちわびたかのような歓喜を見せている
――おお 信ぜよ あなたは徒に生まれて来たのではないのだと
「O glaube , : du wardst nicht umsonst geboren!」
――ただ徒に生を貪り 苦しんだのではないのだと
「Hast nicht umsonst gelebt, gelitten!」
そしてシュライバー
エレオノーレ以上の歓喜を以てそれを紡いでいく
広がる光の筋は四本
それらが対称の方向へ伸びていた