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SAOGs

第28章 第41層~第50層 その5 "Einsatz"


数刻ぶりの地上は変わらずの曇天
目の前は戦いが始まっただろう公園
他にもプレイヤーがいるようだ
戦うには丁度良い場所だし、合流しやすい

「奴等とも合流すべきだな」

「うんうん! 皆で力を合わせればきっと出来るよ!」

ジンの言うことも尤も
普通に勝てないだろうボスだ
今いるだけでもプレイヤー達の力を合わせなければ
故に私達も公園に向かおうとした
その時である

「オイ―」

ケンタが口を開いたと同時に公園に巨大な物体が落下した
確かめなくとも分かる、ボスだ
今はプレイヤー陣の正面にいるとは言え、戦闘能力は桁違いだ
急いで合流しなくては――私達も公園へ駆け出した
だが直後、正面を塞ぐように木が飛んできた
回避して直撃は避けたものの、抉れた地面や倒れた木々が進行の邪魔をする

変えた進路も悉く邪魔が入る、ボスが蹂躙するように暴れまわる
合流出来ない焦りが募った時、その場に声が響いた

「では、我々も事に取り掛かりましょう獣殿」

瞬間、私に走ったのは悪寒
何か別格な、そういう存在に対する本能的な恐怖だった
視線を向けた先――否、あらゆる視線の先にいたのは――

(聖槍…十三騎士団…)

幾つもの層でボスを倒してきた存在だ
彼等も無事だったようだ

「気に入らねぇな…アイツ等…」

静かにトーマがボヤいていた
ジンも静かなままではあったが、瞳に宿る厳しさはそれまでよりも強かった

「ここのもの、別格とカールが言っていたが……カールよ、中々遊び心を出したようだな」

黄金――ラインハルトが口を開いた瞬間、先程とは別の形で悪寒が走った
総毛立つとはこのようなことだろうか
そんな感覚が身体を駆け巡った

「遊び心とは、これはまた軽妙且つ的確な表現だ。しかしある程度はそれでも宜しいが、私の女神の為にも必要な事象であり、我ら黒円卓の面々にも必要な事象であるという事は、心得て頂きたい」

その隣の人物――何時からいたのだろう
外套で身体を包んだ人物だ
もう一つの悪寒はその人物から発せられていた

「無論だ。その為に大隊長を動かしたのだからな」

二人はボスの目の前でありながら、さも余裕そうに話している

「大隊長各員――ザミエル、マキナ、シュライバー。現状出来る範囲で構わん、しかし加減は無用だ。楽しませろ」

「「「ヤヴォール!!」」」

そしてその答えが、示されようとしていた
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