• テキストサイズ

SAOGs

第27章 第41層~第50層 その4 "転換点"


光の衝撃波が私に届く事はなかった
しかし代わりに、部長がそれを背で受けていた

「部、長…?」

外套が吹き飛び、消滅するのも気付かず目の前の光景に呆けるしかなかった

自分へは何の防御も無く、ただ私を庇い、まさしく身を削っている
そんな姿に、私は言葉を発する事が出来なかった

「キョウヤ!!」

シンジ先輩の叫びが遠い
だが部長には確と聞こえていたようだ

「シンジ――」

確信した声
強い光を灯した瞳

「――頼む」

短い一言――ただそれだけの後、部長の全身が砕け散った

光の衝撃波は"それ"と同時に止まり、私の目の前に光の結晶が舞った

(死ん、だ――?)

誰が――ユウが、ミヤが、部長が―?

(死んだ―――?)

二度と、会えない――?
二度と、言葉を交わせない――?
二度と、触れ合えない――?

「……ぁ…あ、あぁ…」

小さく声が漏れる
だがそれは言葉でも何でもない

背筋が凍り、聴覚と視覚が徐々に――拒絶するように失われ――



「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


――叫びと共に、私の意識は塗り変わった
/ 739ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp