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SAOGs

第27章 第41層~第50層 その4 "転換点"


何が起きたか分かるのに、理解出来るのに――頭がその"事実"を拒絶している
私達でさえそうなのだ
故にミヤは――

「やだ…やだやだ、やだよ……いかないで…いかないでってばぁ…」

――まだ取り戻せると、目の前にいるとばかりに、空に砕けた光の結晶を集めようとする
だがそれは一つとして取れず、ミヤの掌をすり抜ける

突然の事に理解が及ばなくなる
故の行動と誰もが理解出来る
だが、この"戦場"という場においては――余りにも…危険でしかなかった

「ミヤ! ミヤ!! 動いて!!」

這うように私は動き、手を伸ばす
だが、私の声も、手も、届かぬまま――ミヤは飛びかかったボスの取り巻きに跳ね飛ばされた
着地の受け身も取れずに板の上を転がる

そこに屍肉を見つけたハイエナのように敵が群がる
そしてそのまま、ミヤを、食べ始めた

「邪魔だ離れろ!!」

床となっている板を叩いて私は跳躍――ミヤの元へ向かう
直後、取り巻きが指し示したかのように離れる
その先にいたのは――身体に幾つもの穴を開けられたミヤであった

「ミヤ!!」

再び床を叩いてミヤの元へ跳ぶ
だが、手が届く前にミヤは、直前のユウと同じように全身が砕け散ってしまった

「…………」

言葉が出ない
続けて二人も、失った
伸ばした手が力無く床へ落ちた

一瞬以上の呆け
致命的な瞬間――ボスのいる辺りが光った
振り向いた時、既に遅かった
ボスの胴体から、光の衝撃波――避けるだけの力は無かった

次は私かと思った瞬間――

「クソォ!!」

――部長が私と衝撃波の間に割り込んだ
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