第4章 第1層~第10層 その3 "再起"
トロッコゴール地点の近くから外に出ると、鉱山の裏側に移動した
切り立った崖に作られた数本の道の中央に大きな滝が勢い良く水を下へ落としている
「これはまた…修学旅行より凄いんじゃない?」
そうコメントするミヤに同意出来る程のダイナミックさを持った滝だ
下は見るのが恐ろしいので見ないが…
「そういや部長」
滝を見ながらケンタが口を開いた
「釣りとかって出来ないんスかね?」
釣り、なるほど釣りか
確かにこの手のゲームでなくとも、釣りの要素をサブ的に入れている場合は多い
「釣竿を手に入れれば出来るようになる。その後、釣りスキルを取るか取らないかはその人次第かな」
釣りにまでスキルが存在するのか
少々驚きだ
「釣り以外にも戦闘に直接関わらないスキルはまだまだある。採集系、鍛冶系、鑑定系、料理系…と、まぁ色々かな」
言いながら進む部長に各々着いて行く
一層や鉱山にはいる前とは違い、細い道が連なっている故、必然的に一直線になっていく
脇―もっと言うなら進行方向左の部分は見たくない
恐らく崖で、落ちたらその瞬間に死亡だろうという高さ
さっきよりも明るいから、見れば恐さが増すだけだろう
しかしながら私は、左下を見なければならなかった
無視しても良かったが、どうしても確かめなければ気が済まなかった
それは―
「ねぇエリー、この場所でくっつくのは危なくない?」