第27章 第41層~第50層 その4 "転換点"
「危ね!!」
突如現れた杭に多くのプレイヤーが回避を余儀なくされる
板の部分だけ都合良く効果が働いていないのか、相変わらず揺れ続ける
だが、人に対してはそうにもならなかった
回避しそこねたプレイヤーが杭にぶつかり、そのまま板から落とされる
下は、まさに奈落―――まず、助からない
「クソッ…プレイヤーだけを殺すのかよ!」
ケンタのボヤきが耳に聞こえる中、揺れる板はボスに近付いた
攻めるなら今――その直感に従い、ブーストをかけ足を踏み出す
そのまま跳躍し、空へ向かう
狙いは一点、敵の身体だ
「んのおおぉぉぉぉぉぉ!!」
突撃するように敵の正面から到達
そのまま剣を突き刺し、抉るように動かす
抵抗したボスが振りほどこうと身を激しく動かす
そのせいか剣があっさり抜け、再び空に私は投げ出される
「―――っ!」
即座にエリーがチャクラムを射出
手に巻き付いたそれは空中の私を板へ戻す
だが、その途上で高速移動するボスが巻き起こす突風により、身体が大きく飛ばされる
「エリー、そのままだ!!」
飛ばされた私を見上げるエリーに叫んだのは部長
私に伸びるチャクラムの糸を掴み――
「ぬうぅぅぅぅぅあぁぁぁ!!」
――力任せに引っ張る
当然、私の身体にかかる力のベクトルが変わり、もう一度板へ向かう
そのまま私は転がり込むように板へ着地した
直後、敵はもう一度杭を出現させた
着地直後の私は崩れた体勢であり、対処が出来ない
「リリィ!!」
声が響いた方向から槍が伸びる
部長が槍の端を持ってギリギリまで私に伸ばしているのだ
掴まない訳にはいかない――必死に駆け出し、槍を掴む
「来ぉぉぉい!!」
力任せに槍を引っ張る部長
結果、部長に飛び込むように杭を避け、部長にぶつかる事で勢いを殺した