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SAOGs

第4章 第1層~第10層 その3 "再起"


遠くに微かに光が見える
もうすぐ、出口かもしれない
それを認識した所で一つの疑問に辿り着く

……どうやってトロッコを止める?
試しに、しかし必死にレバーを傾けようと腕に力を込める
が、レバーは動かない

(どうする…どうする…?)

そうこうしている内にもっと嫌なものが見えた
レールの終焉、それも古くなって破損した結果無くなったという終わりである

最悪だ…

せめてもの幸いは、レールが上を向いて終わっている事だろう
ならば…やりようはある…

まともにやった事はないが、記憶を頼りにクラウチングスタートの体勢をとる
やる事はただ一つ
トロッコがレールから飛び出したタイミングで、足―脚力にブーストスキルをかけ、トロッコを蹴って飛ぶ

(上手く行けば御の字…失敗は…考えない!)

整わない息を整えようと、深い呼吸を繰り返し、目よりも重力で位置を感じる

(もうすぐ…)

まだ距離がある―

(もうすぐ…)

あと少し―

(今っ!!)

トロッコがレールから飛んだ瞬間、思いっきり正面に跳躍する
一瞬でも空を駆けている
現実では味わえない感覚、しかしそれを感じている余裕はなかった
しかも、問題が発生していたのだ

何処に飛ぶ?

何も考えずに正面に飛んだが、違う場所ならどうする?
上か?下か?それとも別か?

飛びながら壁までどれくらいか探る
壁に当たった一瞬を使って、もう一度跳ねる事を思い付く

なら次の目標は正面の壁
その次に何処に行くかは…その時の体勢次第だ

覚悟を決め、意識を壁に向けた瞬間―全く意識していない現象が起きた
下から、腹に糸の様な物が巻き付き、空中を移動している私に発生しているエネルギーを越える力で私を下方へ引っ張った
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