第25章 第41層~第50層 その2 "Love"
「しっかしよ、一体どうなってんだここ? 訳分かんねぇって」
「うん、唯一分かるのは物事の優先順位が狂う位、変だってこと」
「あぁ全くだ。どう考えてもおかしいぜ。起きたらほぼ真っ裸だしよ、知らねぇ女がさも普通だってみたいに迫ってくるしよ……全くざっけんなって話だぜ。俺には心に決めた奴がちゃんといるっての」
最後の一言にツッコミを入れたい気持ちをぐっと抑えて、歩き始める
ケンタもすぐに追い付いた
それから辺りを一頻り見て回ったが、特に収穫はなかった
という事は――
「やっぱり上…かな」
「だろうな。こういう時のパターンは一番上の階の、一番上等な部屋だ」
幸いにも敵のいない廊下を進んで、階段を上る
二階に着いても、敵の気配はない
見た目の部屋数から考えて、ここではなさそうだ
しかし何が起きるか分からない
互いに周囲を警戒しながら、次の階段を目指す
細さの変わらない廊下を進む
響く音は私達の足音だけ――今度はすぐに階段を見付けた
「……行くか?」
「当然。行かないと、終わらないもの」
「だよな」
状況がどうであれ原因はボス
ならば、倒しに行かなければならない
そう感じ足を階段に乗せた瞬間――先程よりも激しい音が響いた