第25章 第41層~第50層 その2 "Love"
「エリー、どうしたの?」
そう振り向いた先、私の瞳に映るエリーは今の私と同じだった
ショーツ一枚だけで他の服を着ていない
しかもとりあえず目の前にいるのが私だけだからなのか、隠そうという意思をまるで感じない
内心嘆息しつつ、エリーにもここを出て状況を確かめようとでも言おうとした
その時、エリーが私の手を掴んだ
「ねぇ、リリィ」
「…何?」
当然の疑問
同時にエリーの手に籠る力が、少しだけ強いのも感じていた
だが、いつものノリのようなものだろう――そう思っていた私は、突然エリーに引っ張られた
「―――!」
勢い余ってベッドに突っ伏す形となった
「ちょっとエリー――」
振り返り何かと問おうとした
しかし、エリーの手が私の口を塞いだ為、その先は言えなかった
「リリィ……しよ?」
その先に聞こえた言葉の意味は分からなかった
エリーが私の口を塞いだ手を外し、両手で私の両手を押さえつける
そのままエリーは仰向けになりかけている私の上に跨がった
「何、するつもりなの…?」
私の問いにエリーは答えなかった
しかし、今まさに私の目の前にある彼女の上気し恍惚とした顔、明らかに荒い息遣いが答えを物語っていた
「待って…待って、待ってエリー」
察した
何を――エリーが何をしようとしているのかを
故に身を捩らせて抵抗を試みるもエリーの手を振りほどけない
その間にエリーの顔が少しずつ、少しずつ近付き――
「………やだ」
――その短い一言で、エリーと私の唇が重なった