第25章 第41層~第50層 その2 "Love"
夢を見た―――
黄昏の世界は変わっていない
ただ一つを除いて、変わっていない
光の粒らしきものが何処かへ向かうように動いている
私の目の前には一つ――だが、周りにはまだまだ"それ"があった
何故今まで気付かなかったのだろう
いや、気付く訳はない
これは夢で、私が光の粒を知覚したのはつい今しがたの事なのだから
漂うように静かに流れる光の粒
それらが何処へ向かうか、私は理解出来ていた
"彼女"の場所だ
何故ならここは"彼女"の世界だから
私もそれに続く
光の粒達と共に"そこ"へ向かう
数刻もしない内に見えてきた
"彼女"を捕らえる断頭台
光の粒はそこへ吸い込まれていった
あるいは"彼女"に――
だが、私はそこから動けなかった
断頭台の前の陽炎
影法師の存在が、私を止めた
形がハッキリしない
輪郭がぼやけるその存在
だが、それが何かに笑ったのは私にも理解出来て―――
私の意識は落ちていった