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SAOGs

第25章 第41層~第50層 その2 "Love"


テレビに映される文字はその後も続いた

部長を呼ぶかのように繰り返される『アダチクン』の文字
時折現れる『ドコニイマスカ』や『タスケテクダサイ』が更に焦燥を煽る

「クソッ、瀬川何処だよ!? お前こそ何処だよ!?」

部長と共に周囲を探しながら、街をもう一度駆ける

だが、相変わらず手掛かりは一つも無い
遠くで行われている戦闘は優勢なのか、ボスの左腕を裂いた上で折るように破壊していた

戦いが終わるのが早いか、見付けるのが早いか
どちらでも良い――とにかくセレナさんが無事である事が大事なのだ

しかし、何処を探せば良い?
テレビに映される文字は映っているだけでヒントらしいヒントにはならない
暗い街並みの中、明るさが得られたくらいだ

そう、明かりだ
闇の中で場所だとかを探すのに必要なものは明かりだ
それがあれば、周りを見回す

(必ず…必ずある筈…)

部長の後に続きながら"その場所"を探す
確証は無い、だが今は藁をも掴みたい気持ちであった

遠くの戦闘は佳境に入っているらしい
誰かがボスの喉を貫いていた
今更ながら嫌な予感がする
セレナさんが消えて、丁度良く戦闘が始まって、セレナさんと思われる文字が出て――

「あ…」

――見付けた
暗闇の中、一ヶ所だけ煌々と明かりが点いている所がある
マンションの上階と呼べる場所―その一室が明るい

「あの!」

状況も相まってか、部長を呼ぶ私の声はかなり大きかった

「どうした!?」

「あそこだけ…電気が、点いてます」

そうして私が指を指した方向を部長も見る
その瞬間部長も納得したようだった

「確かめる価値はある……行こう」

「はい」

そうして私達は唯一光を灯した場所へ向かう事とした
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