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SAOGs

第25章 第41層~第50層 その2 "Love"


「知り合いなんスかね」

「言っとくが俺も知らんぞ」

と、シンジ先輩すら知らない人物である
後輩である私達は更に困惑の只中にいた

だが、それを破る音が響いた
何かと思って振り向いた先には、敵―

青い羽根のようなものを持った敵であった

「瀬川、俺達アレを速攻で潰すから、お前少しここにいろ。折角会ったんだし、少しくらいは話しないとな」

部長はそう言って立ち上がり、私達と並んだ

「よし、それじゃあ…スタ―」

部長が号令をかけようとした瞬間、敵が歌った
甲高い―ソプラノ域の音が響く

何かと思ったのも束の間、次の瞬間に痛みが走った
何処に?――頭にだ
割れそうな、という表現がまさに正しいそれは私達の動きを悉く封じた

「なん、だ…これ…」

「クソ…頭に…」

肉体中枢部へのダメージは動きを封じる
今はそれだけだが、もしこれに追加でもあれば危険でしかない

(アレを…消さ、ない、と……)

痛みに歯軋りする私は一つの賭けに出た
頭に激痛が走る中、迷わず私は頭の中にある"引き出し"を開けた

「がっ…あ゙…」

一気に意識がクリアになる
同時に、痛みは倍増しとなった
だが、そうなってでもやる価値はある
そう信じて――

「ぐうぅぅぅぅおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

――吼える

咆哮、咆哮、咆哮――
歌声に対抗するには余りに野蛮な咆哮

だが、音に対抗するには音
それだけの理屈で、私は吼え続けた
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