第25章 第41層~第50層 その2 "Love"
残り四体―
部長が光の弾丸を後方宙返りで回避
そのまま突進してきた敵を私がブーストのかかった拳で吹き飛ばす
「先に上をやる、行けるな!?」
「はい!!」
直後部長はブーストのかかった腕で槍を投擲
高速で空へ進む槍は一体の敵に刺さった
その瞬間、私も空中へ跳躍する
手前にいた二体の頭を蹴り、更に跳躍―
敵に刺さった部長の槍を掴む
そのまま空中で身体を無理矢理回転させ、斜め下へ投げる
私も剣を構え、落下―
「せぇぇぇぇやあぁぁぁぁぁ!!」
重力任せに剣を振り、連続で三体を真っ二つにした
四散する敵の結晶を雨のように受けながら、槍をキャッチ
部長に投げて、漸く着地
部長は槍を掴んだ瞬間には既に駆け出していた
先程私が殴って吹き飛ばした個体―最後の一体に向け駆けながら槍を構える
粉塵の中から現れた最後の一体
部長がそれに槍を投げようとした時―脇の木陰から何かが飛び出した
「オイ、キョウ―」
「うご…!」
飛び出した正体は人
まるで何かから逃げるようなその走り―シンジ先輩の警告虚しく、部長は成す術なくぶつかり横へ転がっていった
「チッ―」
舌打ちしたシンジ先輩が残った敵へ向かう
跳躍し、一気に距離を詰める
そのままブーストをかけ、真っ向から曲刀を振り下ろす
呆気なく最後の一体は真っ二つになり、四散した
「大丈夫か、キョウヤ?」
そう言うシンジ先輩に続いて私達も部長の元へ向かう
幸い、酷いダメージを負った訳ではないようだ
そして部長に重なるようにして先程ぶつかった人―女性が倒れていた
「こっちは大丈夫だ。それよりも、この人が大丈夫かどうか―」
そう言った瞬間、女性の指が動く
そのままゆったりと身体を起こしていく
「やぁ、突然ぶつかってくるから避けられなかったけど、とりあえず大丈……え?」
女性が顔を上げた瞬間、部長の言葉が止まった
女性も部長と目が合ったまま呆けている
「お前…瀬川か?」
「え……安達、君…?」
意外過ぎる展開
ぶっちゃけ私達も、説明が欲しい所であった