第23章 第31層~第40層 その5 "再会"
「なんだアンナも"こっち"にいたのか。それならそうと連絡くれりゃ良かったのによ」
先の出会いから数分後―
ケンタとアンナは街のオープンカフェで再会がてら食事を取る事にしていた
「あのね、一応今はルサルカって名前になってるから、そっちで呼びなさいよ。マナーって奴じゃないの?」
「そっか。まぁオレにとっちゃ、アンナはアンナだからな。そっちの方がアンナも分かりやすいだろ」
ケンタの笑顔の返答に辟易したような溜め息を漏らすルサルカ―アンナであった
「それにしても…最後に会ったのが確か、オレが中学の時だよな。あの後ドイツ帰って…またホームステイで日本に来たのか?」
「えぇ、そんな所よ」
「だったらオレん家来れば良かったのによ」
「ホストファミリーをこっちの都合で選べる訳ないでしょ」
「あ、そっか。まぁだとしてもだ、暇が出来たら遊びに来いよ。親父もお袋も楽しんでくれると思うぜ」
「私が今何処にいるかも分かんないで言うなっちゅーの」
ケンタの自然なボケにアンナがツッコミを入れる
昔と変わっていないノリにある意味の安堵をケンタは覚えていた