第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
トンファー男の今の発言―私になされたものではない
周囲への宣言であり、両手剣男に対してなされたものだ
どう考えても無謀だ
それを堂々と言う辺り本物の馬鹿なのだろうか
対して、両手剣男は無言だった
何を考えているか、当然だが分からない
「………」
そして無言のままボスへ駆け出した
まさか、あの男も一人で相手取る気なのだろうか
「ってオイ、テメェ!!」
トンファー男がそれを追う
あの二人…何なんだ?
視線の先にはまず両手剣男
武装を太刀に変え、パワーもスピードも変化したボスに難なく対応し、確実にダメージを与えている
次にトンファー男
同じ戦線に追い付き、こちらもボスに楽々対応している
二人共、凄まじい実力だ
「テメェ俺の獲物だって言ってんだろ!!」
「知らんな」
「知っとけよ!邪魔なんだよ!!」
寡黙に答える両手剣男とひたすら五月蝿いトンファー男
全く違う属性を持つ二人は確実に太刀を避け、捌き、斬撃と打撃をボスへ叩き込む
驚くべきはボスがスキルを多用しているのに対し、彼等は一度もスキルを使っていない事だ
それまでの私達と違い、通常攻撃でのダメージ量が多い
まさか…彼等は…