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SAOGs

第18章 第21層~第30層 その5 "Hero"


まさかそんな―とも思ったが目の前の事は事実であった

ボスは目に命中した痛みに喘ぎ、頭を振り乱す
浅く刺さったせいか、あっさりと抜けて、地面に落ちた
それは棒―それにしては短く、バトンのようにも見える

「アレは…!」

彼等はその棒に何かを感じたのか、まるで盗られまいというように回収した

「チヅル…!あぁ…分かってるさ」

「そうだな、負けられんとも」

バトンと今はもういないメンバー
そこにどんな関係があるかは私には分からない
だが少なくとも、大切な記憶―思い出であり、力となるであろう事は感じられた

「行くぞ!!」

「「おう!!」」

武器を分解し、もう一度空へ掲げた
そこから作り出されるものは、先のものとは違う形
片手剣を先端に片手斧、二本の短剣を組み合わせる
そして片手斧の持ち手とバトンを繋ぐように甲拳を噛ませる

「「「エルドランソード・グランデ!!!」」」

長大な剣―
それが今、顕現した

「「「おおおぉぉぉぉぉ!!」」」

三人、いや四人で支えるように持つ巨大さ
ただ派手なだけではない、確かな力を感じた

「見せてやろう!これこそが!!」

「人の勇気と正義と―」

「魂の、力だああぁぁぁ!!」

直後不思議な事が起こった
剣の刃の部分―そこに光が集まり、更に巨大な刃を形成した
武器の効果?スキルの類?―明らかにそんなものではない
そう直感出来る

(だって私の形は…違うものだから…)

やった事もないのに、確信を持っていた
何故そうなのかは分からない
デジャヴのように、ただただそれが頭にこびりついて離れなかった
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