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SAOGs

第17章 第21層~第30層 その4 "Combination?"


「まぁそういう訳でだ、使える戦力は俺達イカれた三人組だけ。仲良くやろうぜって話さ」

何が仲良くだ―そういう意味も込めて舌打ちをしておく
このトンファー男には、恐らく仲良くなんて対等じゃない
そうでもしなければ気がすまない

「で、算段は?」

「は?何だそりゃ?」

たった三人でどうやってボスを撃破するのかという問いに返された答えに私は絶句せざるを得なかった
いや、そもそもこの男にそんな理屈を投げた時点でこちらの失敗だ
これはそういうのを考えない奴だった

「お前馬鹿かよ!?たった三人でボスに挑もうってんだから、作戦とか考えねぇと勝てねぇだろ!?」

反論するケンタの言うことは至極真っ当だ
しかし、今は相手が悪かった
この男にそんな理屈は通用しない―本人がそうしようと思わない限りは

「んだよ、ゴチャゴチャうるせぇな」

心底鬱陶しそうな表情の彼は、唐突にケンタの胸ぐらを掴み―

「じゃあテメェは…エサに、なれよ!!」

―そのまま無造作に投げた

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

何の対応も出来なかったケンタは、転がるように地面に着地
そこは中心地だった―何の中心か、プレイヤーだ
今だ周りの全てをボスと認識しているプレイヤー達の中心
故に、彼は否応なく騒乱に巻き込まれしまう

「ちょっ―」

これは余りにも危険だ
助けなくては―そう感じて駆け出そうとした時、私の前にトンファー男が遮るように立った

「さて、お前はどっちが良い?」

「何が」

「デブとガリ、喰うならどっちだ?」

こんな時に何を―いや、内容は分かる
どちらのボスの相手をしたいかだ
だが、真面目に答える暇はない
私は答えぬまま前方へ跳躍―やることは二つ、ケンタの救出とボスの打倒だ

「ククク…へぇそうかい。だったらこっちも、好きにやらせてもらおう…か!!」

そんな声を背にしながら、私は一直線に駆けていた
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