第16章 第21層~第30層 その3 "Alien"
漸く目的の洞窟内に到着
戦闘の回数も増え、流石にエリーも警戒体勢に入ったのか、私の身体から離れていた
……全く勝手なものである
ともかく、私達は順調に洞窟内を探索していた
時折現れる敵をいなしながら、目的の物を探していく
一つ一つがかなり離れた位置にある故、時間をかけて探さざるを得ない
そうして暫く洞窟内を探索していると、何かが響いてきた
全員が気付いたようで、探索の手が止まる
低く身体全体に響いた音―そう遠くはない
「キョウヤ」
「あぁ、確かめに行こう」
言いながら、音がしてきた方向へ歩を進める部長に私達はついていった
それから数回に渡って、同じような音が響いた
その音を聞きながら、入り組み始めた洞窟を進む
徐々に、徐々に響きが確かな音になり、ハッキリとした場所を私達に教える
そして開けた場所に出た瞬間、私達の目に飛び込んで来たのは、飛んできた―いや、吹き飛ばされた敵だ
それは私達に衝突する前に砕け散ったが、この一瞬で激しい戦いなのは理解出来た
他と比べて明らかに広い場所
その中央に、二人のプレイヤー―周りには敵
「皆、あの二人を助けよう」
如何に敵の一体一体が弱かろうと、二人だけでは危険だ
故に私達は部長の言葉に頷いて応え、一斉に駆け出した
目指すは中央―そこにいた二人のプレイヤーを助けに向かう