第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
それからも順調にボス戦は続いた
私達の番もあれから二回やってきて、特に大きな損害も無く切り抜ける事に成功していた
その他の部隊も損害はほぼなく、カミナの指示の元で立ち回りを見せていた
カミナのキャラは無駄な暑苦しさがあるが、指示は的確だ
もしかしたら暑苦しさは後付けの性格かもしれない
そんな事を考えている余裕が私にあるくらい順調であった
そんな四順目―一番の部隊がまた戦っている
残りのHPは一本、このまま行けば…
だが…世の中そんな事は無い
変化があるから、それは生き物なのだ
変化は突如起こった
いや、それを変化と言うべきか
ボスが自ら武装である楯と斧を捨てた
何をしている…後ろから見ていて、そう感じる
だがその答えは、すぐに分かった
ボスの手に現れるは、大きな刀―太刀と言った方が良いだろうか
私達プレイヤーが武装を変える時のように、ストレージから呼び出した…という事になる
だから私達から見れば武装を捨てた時には、既に太刀があった訳で―
「なっ―」
―驚いた時には、一番の部隊が吹き飛ばされていた