• テキストサイズ

SAOGs

第16章 第21層~第30層 その3 "Alien"


現れたボスは黒い塊
脇にゴリラのように動く腕だか足だかのお陰で漸く、何らかの生物だと理解出来る

既に敵のHPバーは現れているが名前まで確認する余裕は無い
私達は各々左右に跳躍し、回避
横―というより左右に割れた人込みの間をボスは真っ直ぐ突っ切っていく
壁にでもぶつかるか、それとも方向転換するのか―ボスの次の行動の確認と対処の為、私達はボスの方へ振り向いた

だが、直後視界に映ったものは私達を驚愕させた
人―男性プレイヤーだ
無防備に、ボスに背を向けている
ボスは無情に、真っ直ぐに進んでいく
漸く振り向いたと同時にボスはその男を弾き飛ばした

車だとかトラックだとか、そういう勢いで跳ねられた男は、腰から真っ二つになり空中でその身を砕け散らせてしまった

死亡者―一人、また死亡者を出してしまったという事実が私達を震えさせた
ボスはここでストップし、方向転換―そしてまた走り出した
同時に、エリーが跳躍―全員の頭上から矢を放った
敵の正面から複数飛んだ矢は、全て弾かれる
勢い負けではない、単純に硬質なのだ

ボスは此度は跳躍―こちらへ飛び掛かってきた
だが、それは先に二分された部隊の片方という事だ
つまり、もう片方は攻撃に転じたという事

ボスの側面から半数のプレイヤーが攻めかかる
案の定、前面以外からは効果的だったらしくボスは身を捩り、腕を振り回し、抵抗していた
だが、攻め立てているプレイヤー達も、伊達にここまで進んできた訳ではない
大振りなボスの抵抗を的確にかわし、ダメージを与えていた

これならいける―そう感じ、私達も攻勢に回ろうとした時、何かが私達の脇を通った

「―!」

思わず停止してしまった
今通ったのは何だ?―そんな疑問が駆け巡る
全体の状況は依然としてこちらが優勢
今も私達の後ろから多くのプレイヤーがボスへ向かっている

だが、さっきのは違った
曖昧模糊とした言い方ではあるが、そういう「殺気」を感じた―としか言いようがなかった
/ 739ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp