第15章 第21層～第30層 その2 "Twin"

巨人の両手でそれぞれキャッチされたミヤとユウは､無造作に投げられる
かなりの勢いであったが､空中でタイミングを合わせたらしく､着地すらシンクロさせていた

だが向こうが攻勢にあるという事は変わらない
直後､驚異的と思わざるを得ないレベルの跳躍をしたもう一体の巨人が､二人目掛けて背中―いや違う､ヒップドロップを食らわせようとしている

二人はすぐさま左へ跳躍し､回避
だが､その先に最初に二人を投げた巨人が待ち構えていた

｢クソッ―｣

突き出された巨人の拳
これを貰う訳にはいかないと､ユウはミヤを自らの後ろに持っていき､盾を構える
それでも正面からの拳の勢いは止められず､二人は急激にベクトルを変えて吹き飛び､直線上にあった大樹に激突､落下した

敵のヒップドロップが生み出した地震から漸く立ち直った私達は､これと同時に駆け出す

こちらも一筋縄にはいかなかった
ヒップドロップをした巨人が私達目掛けて､火の玉を撃ち込んで来たのである
ランダムに撃ち込まれるが故､思うように動けない
回避したと思った先に火の玉が襲い来る可能性が十分にある

そんな中､ミヤとユウに拳を撃ち込んだ巨人が地面に落ちた二人をゆったりと､しかし確実に追い詰めようと歩いている
意地でも二人に届かなくては―そう思う度､火の玉が目の前を通り､歩みを止めてしまう

振り上げられる巨人の拳―無理矢理にでも二人の元へ行こうとした時である
巨人の拳が､何かに弾かれた
いや､アレは人―片手槌､そして盾を装備したクリスが巨人の拳を弾いたのだ