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SAOGs

第15章 第21層~第30層 その2 "Twin"


まさか地蔵がアレのスイッチになっていたとは―
構えながら冷や汗を拭う
今はエリーが素早く反応したからよかったものの、あの距離では誰も届かなかった

だが、結果としてどうにかなったのだ
後は目の前に現れた敵をどうにか出来れば大丈夫だ

「いや、そうにもいかないな」

直後、部長の声が後ろから聞こえる
振り替えって視線を送ると、同じ巨人がもう一体その場にいたのである

「なるほど、あの二体が俺達の目的か」

繋がったと言わんばかりの部長の言葉の直後、私達を挟んで出現した二体の巨人が同時に、真っ直ぐ走り出した

このまま素直に挟まれる訳にはいかない
私達は各々の判断で左右に跳躍する

「クリス!」

「あ、うん!」

僅かに遅れてクリスとリアナもその場から離脱する
敵はそのまま互いに正面衝突―どちらも仰向けに倒れる形となった
だがそれで終わりとは誰一人として考えていない
ならば、こちらが何とかするしかない

「まぁ、相手が同じ姿の二人組っていうなら―」

「―僕達が出るしかないって?…しょうがないか」

そう言って前に出るのはミヤとユウ
相手が同じ姿―いつかのボスと同じと考えると、同時に倒さなくてはならないという事になる
ならばこの二人が出るという事で間違いない

「…行くよ」

「分かってる!」

短い問答で二人は"同時に"駆け出した
その歩幅も、スピードも、体勢も全く同じ

「すっごい…あの二人息ピッタリだね」

「そういうのはいいから、アンタはチョロチョロしないでよ」

ユウとミヤ
本来他者でありながら、ピタリと合う二人の行動
まさにシンクロする二人に、クリスは舌を巻いていた

二体の敵の間近に来た二人は同時に跳躍―全く同じ軌跡で身体を捻り、回し、勢いのままに蹴りを叩き込む体勢
重力分を追加させて勢いと威力を増した二人の蹴りは、正確に吸い込まれた

しかしそれは、私達から見て左の巨人が前に躍り出て、二人の蹴りをキャッチしたのである
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