第15章 第21層~第30層 その2 "Twin"
「って訳で、一時的に皆さんの厄介になるクリスです。で、こっちがリアナです。」
「何も説明してないのに何が"って訳で"なの…」
全くだ―リアナの言に私は同調するしかない
またしても私は思う―何がどうしてこうなったと
いや、物理的に起きた事象は説明出来る
新たな武器の作成に失敗したクリスの元へ、また別の素材でも持っていけば良いという選択をした私達を、クリスは突然呼び止めた
失敗した責任を取りたいから、一時的に着いていきたいと彼女は言い出した
その余りの勢いに気圧されたのか、私は頷くしか出来ず―こんな状況になっているという訳だ
「そっかそっか、よろしく頼むよ」
他の面子が軒並み唖然、もしくは「?」を頭に浮かべている中、部長だけは何故かいつも通りだった
ある意味大人物かもしれない
「ってか、本当にネリーの紹介かよ…」
「まぁまぁシンジ、よく言うだろ?旅は道連れ世は情け、一期一会を大切にってさ」
「それ以前のツッコミ所があるだろうが…」
嘆息するシンジ先輩に心の中で謝っておく
ただ、あの時のクリスの勢いは止められなかった
それだけは認めて欲しい
「それじゃあ素材を探しに、レッツゴー」
「いや、オレ達の目的違ぇんだけど」
ケンタすらツッコミに回らざるを得ない状況で、この奇妙な状況は始まった