第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
「次は俺達だ、抜かるなよリリィ!」
「了解です」
作戦の第二段階
次に飛び出すのは私とシンジ先輩
最初にユウとケンタが一瞬でも攻撃手段と防御手段を剥がす
その次は―私とシンジ先輩が全力でダッシュ
狙うは…脚
「内側からでも外側からでも良い!やれ!!」
移動速度上昇のブーストスキルを発動させ、一気に距離を詰める
私の視線の先には、ボスの右足
ボスも黙ってはやられない
剥がされた斧を私に向かって構えている
そのまま攻撃して私にダメージを与える事が可能という訳だ
だが私は迷わず真っ直ぐ行く
それが私の今やるべき事だし、何より―
「やらせない」
―その程度は読んである
後ろからエリーの放った矢が、斧を持っている手に刺さった
こちらの攻撃中に攻撃されそうになってもエリーが先手を取り、それを防ぐ
そういう作戦
だから私は今も真っ直ぐに進めているし―
「はあぁぁぁぁぁ!!」
―武器スキルでボスの脚に予定通りダメージを与えているのだ
私とシンジ先輩の攻撃によるダメージは、それ程多くないが先程よりも大きな隙がボスに生まれていた
「キョウヤ!!」
「ミヤ!!」
互いに第三段階の二人へ叫ぶ
これまでは、その二人へ円滑に進める為の作戦
だからダメージが低くても気にはしなかった
最大のポイントは大きなダメージを与える事だ
「お任せ!!」
少し上からミヤの声が聞こえる
ボスの向こうでよく見えないが、部長とミヤが跳んだのだろう
つまり、後一手である
「これは!!」
「痛いでしょう!!」