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SAOGs

第14章 第21層~第30層 その1 "Trap"


リリィに撃ち込まれた敵、人型ミミックの拳―それは剣を折り、彼女の意識を奪うだけではなかった
勢いもそのままに拳ごと彼女の身体は床に叩き付けられる
その衝撃かひび割れた床は砕け彼女と敵を階下へ連れて行く

「リィちゃん!!」

位置としては近い筈のミヤコの叫び
だがそれは、崩れる瓦礫と闘いに紛れて届かない
一人では駄目だ―そう直感したキョウヤはリリィと敵が落ちた穴へ駆け出そうとする
しかしその一歩目で右足に激痛が走り、彼は動きを止めてしまった
足に視線を向けると舌を出したミミック―その舌が、彼の右足脹ら脛を貫通していた

「―っ!野郎ぉ!!」

暴言に近い声音を放ちながら身体を無理矢理回し、足を貫通した舌を持つミミックを引き寄せる
そのまま左足で蹴り込む
お陰で舌は取れた、敵も倒した―しかし、引き抜く角度等の調整を一切行わなかったが故、膝から下の右足を犠牲にする事となった

「ク…ソォ!」

そのままキョウヤは這うように先程作られた穴へ飛び込む

「キョウヤ!!」

キョウヤのその行動を捉えたのかシンジは彼へ叫ぶように呼び掛けるが時既に遅し
彼は穴へ飛び込んでしまい、シンジを含めた残りの五人の前に広がる状況が、二人への助けを許さなかった

七人でやっていた―しかも円を描くような状態が崩れるとなると、開いた穴を塞ぐのは至難の技である
この穴、全員が理解していたが実際にこの穴をカバー出来るのは一人―エリーのみである
矢を撃ち込みながら素早く跳躍し、立ち位置を移動
先程までリリィとキョウヤが相手をしていた分、そして自らが相手をしていた分―三人分を一気に相手にする
その表情に焦りが見えるが動きは全く乱れない
一射で数発の矢を放ち、周囲の敵を消し飛ばしながらチャクラムで至近距離のカバーを行う

その脇ではユウとミヤコが共同作業の如く互いをカバーしながら目の前の敵の群れを切り散らす
互いの息を合わせ、踊るように砕き、刺し、散らす

だがそれでもまだ終わりは見えない

「クソっ…いつまでやんだよ!」

一振りで複数を巻き込むように戦うケンタの言葉通りであった
多少は減った―だが終わりが見えない
焦りばかりが募る状況で、変化は更に起こった
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