第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
眩しい―
扉をくぐって最初に思った事だ
フードがあるにも拘わらず、手で顔に影を作る
先程の薄暗さよりも、明るい場所であるのは確かだ
明るさに慣れた目が写したものは―大きな部屋
自分達のいる場所を基準にすると縦に、奥に長い部屋―まるで謁見の間だ
部屋はとにかく明るい
ただでさえ明るいのを白い床や壁や柱がそれを更に強調している
しかし意匠なのだろうか、よく見るとオーロラの様にうっすらと色が加えられている
ゲーム的美しさをよく表した部屋
団体が入りきった所で扉が閉まり、消えた
なるほどデスマッチか
挑むという選択をしたのだから、勝つか―それとも死ぬかの二択だと
良いだろう…それならば―
「勝って生き残ってやる…」
ボヤきのように小さく出た私の一言を聞いている者はいなかった
皆、部屋の奥に座する王の存在に気付いたからだ
玉座に座するは獣人の王
多くのコボルド―ゴブリンと言った方が良いか―を統べる者
それが…動く…