第13章 第11層~第20層 その5 "進撃"
「なるほど、今のは単なる小手調べ。本番はここからだと言いたい訳で―」
「だったら簡単だ。中に入ってボスを倒す」
極めて単純なシモンの受け答え
部長も「全くだ」と口にする
どうやら方針は決まったらしい
「皆、これから中に入ってボスを倒す。危険は承知だけど、それくらいが何だ…皆でアイツを倒して先に進むぞ!!」
シモンに合わせて大勢のプレイヤーが声を上げる
紅蓮団が大型のギルドになっているのは知っていたが…こういう場面に出くわすと、改めてその規模に驚いてしまう
しかもここにいるのはその内の一部だ
全体が集まりでもしたらとんでもない人数になるだろう
「ハハ、圧倒されるってこういう事かな…皆!」
彼の横に立つ部長は、こうは言っているものの視線に込められた強さは変わっていない
「俺達も彼等に続こう。協力し合えば勝てる筈だ」
私達は彼等の様に声が上がる訳ではない
だが、確かな返答として頷き、武器を構える
「準備は良いな、皆!」
「それじゃあ―」
後ろに続く者達の応えを受けた先頭の二人が構え、号令をかけ始める
規模もスタイルも全く違う二人が並び立ち―
「行くぞおぉぉぉ!!」
「スタート!!」
彼等の号令に、私達を含めた多くのプレイヤーが一斉に駆け出した