第3章 第1層~第10層 その2 "Game Start"
「…ッシャア!!お前ら、よく集まった!!まずはそこに感謝だ…俺はカミナ、名乗ったからにはお前ら全員俺のダチだ!!」
広場全体に響く声に勝手に友人認定されてしまった
誠に不本意である
しかし、自信に満ち溢れた……いや、単なる暑苦しい声は構わず話を続けている
「この誰も彼も死にたくねぇ…いや、死なせたくねぇ状況になって少しして…やっと最初のボスだ!ここを軽々突破して、ガンガンクリアしていくぜ!!」
どこからともかく、歓声が上がる
という事は、あの暑苦しいカミナという男にもある程度の人望はあるのか
逆を言うなら、人望があるからこんな真似が出来る訳だ
「っても、こんな大所帯ならある程度ルールってのは必要だ」
っつー事で…と言いながらカミナは大きめの羊皮紙を取り出した
広げられた羊皮紙にはやたらめったらに崩された日本語…の様な言語…の様な絵柄が書かれていた
正直言おう、私には読めない
「一つ、全員協力!ヤバそうな奴がいたら、すぐに助けろ!二つ、ボス倒しによる金は均等に分ける!三つ、ドロップアイテムは取れた奴のモンだ!これなら文句ねぇだろ!!」
なるほど、参加者が4、50人ともなると得た品によって軋轢が生じる
それを避けようという訳か
「次に、ボスの情報だ。コイツはネリーとかいうテスターが寄越したモンだ」
そうしてまた彼は大きめの羊皮紙を取り出した
今度は私にも読める、通常の日本語が描かれていた