第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
そういう事…何だろうか
多分、この絵を見て何か勘づいたのだろうが…それは一体―
「この層の事、大体分かったわ」
「あぁ、俺も分かった。ポイントは、ボスだった訳だ」
続けて理解したのか部長も声を上げた
ポイントはボス…という事は―
「第九層は一番目で魔術師…っていう事は、次は二番目の…女教皇か」
「あら、私は女司祭って言う派だけど」
どういう事だ?
いまいち理解出来ない私の横で、少し考えた顔のエリーがゆっくりと口を開いた
「タロットの大アルカナ。つまり、これは続き」
「その通り」
正解だという声の部長
その声に続いて、ネリーが更に口を開いた
「タロットの大アルカナをボスに仕立て上げたって訳ね。しかも、ご丁寧に九の倍数で……まぁ、二十七層に着いた時にこの答えが本当か証明される訳だけど、今はそう思って差し支えはなさそうね。」
言いながら、高速でコンソールを叩くネリー
データでも纏めているのだろうか
「興味深い…興味深いわ。試作版にいなかったボスも中々ね……これは一度何処かで参戦するのも悪くはなさそう―」
興奮した様子のネリーはそのまま私達を置いて元の道へ戻っていった
一応それまで共に行動していた私達を置いていく形となってしまうのだが、何故か止める気にはならなかった
結果私達は彼女からワンテンポ遅れる形となるが、無事街へ戻りいずれ来るであろうボス戦へ備える事となった