第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
動きを見せるのがガーディアンばかりで、本体は特に動きを見せていないのに気付いたのか、周りのプレイヤー達が次の触手を斬ろうとボスへ迫っていく
だが、ボスも阿呆という訳でもなく、プレイヤー達が近付いた事に対して迎撃を開始
弾丸を避けながら、触手に対して攻撃をしていく様が目の前に広がった
ガーディアンの軍団は出現にランダム性を付けだし、エリーも後手に回らざるを得なくなっていた
なら、私のやれる事は―
「エリー。背中の方、私やるよ」
「ん、ありがと」
短い問答の直後、一団から外れて真っ直ぐに駆ける
目の前のガーディアン―まずは一体を狙う
放たれる射撃は見切れた訳じゃない
だが、走りながらそれらを捌いて、更に加速
その上で、狙うは一点―敵の首
「づぅぇあっ!!」
抉るように、捩じ込むように剣を刺し―引き裂いて、敵の首を落とす
直後右に現れた別のガーディアンの放つ弾丸を前転で回避
着地から間髪入れずに鎌鼬を飛ばし、敵を縦に破砕
砕け散った途端、更に二体のガーディアンを私の後ろに感じた
なるほど、倒せば倒す程おかわりか
だが放置は出来ない―本体に向かっている味方を危険に晒す訳にはいかないからだ
対処の為に振り向いた途端、片方のガーディアンの頭が飛んだ
砕け散った敵の向こうにはミヤ
刺した短剣を殴って先の攻撃をしたらしい
私はミヤの方を向いているもう片方のガーディアンへ跳躍
またも首に剣を刺し、切れ目から左手で乱雑に回路を引き千切る
機能不全でも起こしたのか、刺されたガーディアンは痙攣したかのように細かく震えだす
だからどうした―
そのまま蹴って剣を引き抜くと、呆気なくガーディアンはまた砕け散った