第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
ミヤと視線が交わる
お互い声をかける事は無く、何かを思う事も無い
ただ、確かな信頼を互いに感じ合うだけ
直後、今度はミヤの後ろにガーディアンが現れる
咄嗟にミヤの手を引いて、射線からずらす
結果、彼女を抱き止める形となったが、気にしている余裕は無い
飛び掛かってきた敵に身体を倒しながら、剣を上へ突き立てる
上手いことそれが敵を貫き、砕け散らせた
どうやら近場は何とかなったようだ
だからといって他を放置する訳ではないが
「ミヤ、立つよ」
そう言いながら、上体を起こすもミヤは離れない
「あの…ちょっと…?」
何をしていると問いたいような困惑
それが私に沸き立つと同時にミヤは顔を上げた
「いやぁ、今のリィちゃん中々カッコ良かったよ~。こりゃ惚れるわ」
「いや、惚れるとかじゃなくって…」
あぁなんだ―いつものノリか
それを理解し、溜め息混じりにツッコミを入れようとしたが、ミヤが何者かに襟首を引っ張られ、無理矢理立たされた
「全く…馬鹿な事してる暇は無いでしょ」
立たせたのはユウ
いや全くごもっとも―ミヤが私から離れた後に私も立ち上がる
ミヤは「は~い」と返事をしながら、ユウと二人で駆けていった
そんな二人を見ながら、息を整える
二人共、互いの感じを理解しているというか何というか
改めて妙な感慨を感じていると、ボス本体がまた戦慄いた