第12章 第11層~第20層 その4 "Search"
ボスは全く動作する事なく、HPを削られている
成る程、今は削り時という奴か
という事は次に来るのは敵の攻撃ターン
この考えはどうやら当たったらしく、あっさりHPバーを一本削られた直後、ボスが震えるように再稼働した
近くのプレイヤー達に二本となった触手が派手に動き、距離を取らせた
同時に本体が私達―後方にいるプレイヤーに弾丸を放っていく
全員で前方へ回避
当たりはしなかったものの、この二動作で私達を含めたプレイヤー達が中央に集まった事になる
「オイ、キョウヤ」
「多分合ってるよ、シンジ」
直後、先輩方二人が何かを勘づいたのか、意味深なやり取りを私は耳にする
確かにこれは妙な感じ―まるでわざと、集めたかのような…
(まさか―)
読めた、読めた読めた
大体読めた
これは、ボスの戦術―
勘にしかすぎなかったが、どうやら当たっていたらしい
直後に周りの壁が一斉に開く
その奥には、何体ものガーディアン
それら全てが、中央に集まった私達を一斉殲滅しようと砲口を向ける
「エリー!!」
同時に、部長が叫ぶ
エリーは真上に向かって跳躍―
回転しながらエリーは、私達の頭の上の高さで、周囲360゚―今まさに砲撃をかけようというガーディアンに多量の矢を放っていった
エリーの放った矢がガーディアンの放つ弾丸とぶつかり相殺される
エリーは空中で更に回転し、高速で矢を放ち続ける
その速さは、弾丸にも負けていない
放射状に放たれる矢が、ガーディアンに命中し、貫き、砕いていく
次々と機能停止するガーディアン―今なら、ボスへの道がある